”フォニックス”にベタ惚れして既に4年以上経ちました。
ワークショップやら夏休み中の講座やら、プライベートオンライン、オフライン、親御さん含め200名近くにお伝えしてきました。
英語丸暗記世代の私としては、このフォニックスのルールは画期的!でした。
そもそもフォニックスてなんでしょう?
フォニックスについて知っている方は、ご自分で今、言語化してみてくださいね。
ずっと基本の英語の音と文字の関連(もしくはその教授法)を学ぶのがフォニックスだと考えてきました。
英語は、文字数は26文字ですが、音は諸説ありますが基本母音が21音、子音24音で合計45音あると言われています。
英語は文字は少ないのに音は多い。音は同じでも文字の綴り(つづり)がいくつもパタンがあります。英語は単語の綴り字と発音の対応関係が非常に複雑で覚えるのが大変です。。
英語圏では、読み書き困難の出現率は10%以上とも言われています。
ですので、英語圏では読み書き学習としてフォニックス学習があると言われています。
英語圏では〜というのがキーワード。
この英語圏から輸入されている教材を使いながら、ある点が抜けているということを、フォニックスを教えながら、発音をはじめ様々な勉強をしながら知りました。
それは、、
”話ことば”からの読み書き学習という視点の欠如
英語圏でも日本語圏でも、人はまず生まれてから周りの環境にいる大人の声を聞いて、真似をし、自分で発話できるようになって、やっとお話をするようになり、表現を学び、文字にも興味を持ったあとに文字の読み書きを学びます。
この文字の読み書きの部分を、日本では小学校(もしくはそれ以前)、英語圏でもキンダーあたりから学びます。英語圏でのこの読み書きの基礎部分がフォニックスであると思います。
英語圏では、当たり前ですが、英語が身の回りの環境にあり、それを聞いて育ち、文字獲得に行き着くのです。日本語圏でも日本語圏にどっぷり浸かっている中で文字の獲得に行きますよね。
日本語環境にどっぷり浸かっている我が子も現在6歳になり、保育園でのかるた遊びでひらがなを学び、興味のある妖怪大図鑑でカタカナを学んでいます。文字を認識し、しっかりと日本語らしい発音で読めています。
その過程の話はこちらのブログにて書いております。
コンビニで「アイス」と書いてあれば、今まで知っているアイスの概念と、文字に書いてあるアイスが結びついて「アイス!!!」と日本語の発音で言えるようになります。
そう考えると、日本語圏における英語フォニックス教授の視点に欠けているものは”話言葉”という点です。つまり、日本にいる限り意図的にじゃないと、英語の環境にはいないわけです。
では、日本語環境の子供に英語圏のフォニックスを教えたらどうなるでしょう?
例えば、 a n t それぞれのアルファベットの音をフォニックスで知り、それを前から読んでいくことは出来る様になります。
「わ〜英語が読める!」そういう成功体験も生まれるでしょう。
でも、実は読めますが、それが何か、それが本当の英語の発音なのかはわかりません。
というのも、英語での意味「ant=あり」を知らないし、英語の音はそのまま淡々と前から読めばいいのではありませんから。ア ン ト、アント!ではないわけです。
意味は、一緒に覚えるとしても、音は元々英語の音に慣れていないと難しいですよね。
英語の発音といっても、英語にはストレスが存在しますし、音の捉え方も日本語とまるで違うからです。
アメリカの「Reading rockets」というアメリカの子供たちの為の読み書きリテラシー向上に寄与している団体のHPを良く参考にしているのですが、英語圏のネイティブの子供たちも読み書きは一苦労しています。(https://www.readingrockets.org 2021/09/13 12:00現在)
まして、日本語圏の子供たちがこの英語圏のフォニックスをそのまま利用しても、英語の発音で単語を文を読めるようにはならないのではないでしょうか。
じゃあ、どうしたらいいの?日本人はフォニックスしても無理ということ?
いいえ、フォニックスを始めるまでに英語の音に慣れていることが実はとっても大事です。
アルファベットを知らなくても、英語の音楽やリズムが日本語とは違っているんだということを体で知っていることが必要だと思います。
日本語の音のまま、英語を読んでも話しても全く通じません。英語と日本語は音が全く違うんだということを無意識のうちに知っている必要があります。そして、英語を楽しいなという興味の対象となっていることが理想です。
どう慣れるのが良いのか?
未就学の年齢で日本語が話せ、文字にも興味を持っている年齢(5歳以上)には、私であればRhymoe Phonicsをおすすめしますし、実際このフォニックスの教材で勉強しています。
Rhymoe Phonicsとは、Rhymoe®理論をベースとした新しいフォニックスメソッドです。(https://rhymoe.com/rhymoe-phonics/ 2021/9/13 12:00現在)このフォニックスメソッドでは、音韻認識の発達を加味しています。
https://www2.osaka-c.ed.jp/neyagawa-y/c956d4866bd3a585104bbc950081be00.pdf
○音韻認識とは、ことばがいくつの音でできているか、始めの音は何かなど理解できる言 語の音韻の単位を操作する能力のこと。
まず下の表を見てください。英語圏での音韻認識の発達段階です。
すわ、突然、難しいやんか!と思わないでください。つまり、文字の無い段階がたっぷりとあってからの文字認識を表しています。左から右。
そして、この下のRhymoe Phonicsの1回のレッスンフローを見てください。上の表の音韻認識発達にぴったり当てはまるフローになっています。(左から右)
具体的に、どんなことをするかフローを追いますね。
今回の音はc,kです。(c,kは同じ音です。)
1Rhythm
Handclapping ネイティブもする昔ながらの手遊びをして英語のリズムを取り入れます。下の写真ではHandclapping Lemonadeをしている様子。Lemonadeの歌詞にはclap!が入っています。
2,3,4 Introduction,Sounds,Formation
導入する音素の紹介、音を発音指導踏まえて紹介します。その後、文字の形を認識して、書き取りもします。下の写真ではc,kという音は破裂音なのでどこを破裂させるのか見せています。(見にくくてすみません。)
5,6 Phonemic awareness,words
音韻認識(音が単語のどこにあるかな?)と単語を読んで絵と一致させます。
7,8 Chants , Picture book
最後にチャンツでその音が多く入る一文をリズム良く数回言います。
例 Jack kicks a yak to get back his cap.
何が聞こえた?どういう内容?そして一緒に言えるかな?
レッスンの中で完璧じゃなくても、どんどん一緒に言えるように促します。
また、宿題で、このチャンツのイメージを絵に書きます。これが、本当にみんな個性的に可愛い。そして書くことでイメージとして頭に残るのです。
最後に絵本を読んで、英語の文章のリズムや表現を聞くのです。
こうして、1つの音でも10分程度かかります。
お家でも繰り返し出来るように、ワークブックにはQRコードがありQRコードからYoutubeに飛び、HandclappingやChantsが見れるようになっています。下はワークブック例となります。(QRコードもありますよね)
上記をご覧になってどう思いましたか?
1音ながらも、リズム、文章、単語から、音素、全てが繋がって習得出来ると思いませんか?フォニックスの「話し言葉からの読み書き学習」という概念が日本にいながらも出来る仕組みとなっています。
現在でも他のフォニックス教材を平行して使っています。が、Handclappingやチャンツ、絵本は必ずやっております。
特に絵本は、毎回のレッスンでも読みますし、お家でも絵本が読めるようにRazkidsのアカウントを生徒さん皆さんにお渡ししております。
Razkidsとはアメリカのネイティブの子も使う副読本システム。ネイティブが読む音も聞けるし、自分の音読も先生に送ることができます。お子さんが飽きないようにゲームやアバター作成など面白さが沢山詰まったシステムです。
音読を聞いて、自分で読んで英語の塊に慣れる、単語を知り、慣れるそして自信につながる。これが出来る素晴らしいシステムですので、ご兄弟や親御さんにも皆さんにも使い倒して欲しいです。
小学校2〜3年生でローマ字が入る前にフォニックスで英語の読み書き学習の基礎終えることが理想的です。
ですが、実は生徒さんの実績を見ますと、小学校高学年や中学生で一気にフォニックスを学び英語力が向上する方も大勢いらっしゃいます。
お気軽にお問い合わせください。
お読みいただきありがとうございました。