こんにちは。本日は2024/8/05(月)です。
夏休みも1/3が過ぎました。お子様の宿題ははかどっていますか?
もう終わったよ〜という方も、これからこれから!という方もいらっしゃるでしょう。
夏休みが始まる時に、生徒のお一人から「英語の本を一冊読んでポスターを書くという課題が出ました。アドバイスお願いします!」といただきました。
むむむ。講師として腕がなりますね。
まず、「読む」とは?
めんどくさいことを聞くな〜と思わないでくださいね。パッと頭に浮かんだことはなんですか?
何かを読むイメージってこんな感じですよね。↓
本を読む、ただそれを楽しんでいるイメージです。
小説を読む上では、この読み方で良いでしょう。
初めから終わりまでツツがなく読んでいくと話が展開していく感じです。
夏休みに課題があるからと、課題本をこんなふうに読んでいたら要注意。
読んだ後何かアクションが必要な場合は、まずはメモと鉛筆を必ず用意してください。
課題本や課題の文章以外に、まず必要なものとして
1.メモ(残せるものであればなんでも)
2.鉛筆(書けるものであればなんでも)
を忘れないでください。
読みながら書いていく必要があります。
実は、読みながら書くという行為は、忘れないということがひとつあります。
そして、後から自分が書いたものを読んで整理しながらまとめる時にとても役立ちます。(本を何度も読み直す必要がありません)課題本なので、ただ読むだけでなく、何かを書いて残す必要があるはずです。
ではメモと鉛筆の用意が終わったら、事前に読む前に知っておきたいことをお伝えします。
「英語の文章の構成」と「読むを支えるサブスキル5つ」です。
事前に知っておくべきこと1:英語の文章の基本構成
英語の文の構成は日本語とは違います。知ろうとする相手の特性を知っておく。これは鉄則ですね。
英文の構成には例外もあるものの、基本的なテンプレート(型)があります。英作文を書くときには、下記の基本構成を意識して文章を組み立てていきましょう。
- Introduction(導入・問題提起)
- Body(議論)
- Conclusion(結論)
このテンプレートは単に英作文に限らず、エッセイやビジネスメール、プレゼンテーションにも活用できます。英語では、冒頭で問題提起となる主張をして、読み手の注意を引きます。その後、本題となる議論に入り、最後に要約および結論をまとめるという流れになります。
https://www.berlitz.com/ja-jp/blog/writing-english-composition(参照:ベルリッツ英作文の書き方(2024/08/06 7:00時点)
この大まかな構成を心得て読んでいく必要がありますね。
どこに何が書いてあるのかを事前に意識して読み始めると、それはとても効率的です。
そして読んでいく前にもうひとつ”読むサブスキル5つ”を次でご紹介します。
事前に知っておくべきこと2:読むを支えるサブスキル5つ
読むを支えるスキルには色々ありますが、ここに書かれている5つは、アメリカの学生がまず教わる読む方法です。
私はも実は最近初めて知りました。←遅っww
- Reading in detail. 詳細に読む
主な内容とそれに関連する詳細事項を把握すること。
例:契約書、学術論文等を読むとき - Scanning. スキャニング
テキストを素早く読み、特定の情報を見つけること。見つけた後は、詳細に読み込む。
例:メニューを読むとき - Skimming. スキミング
主な内容を理解するために、ざっと目を通すことです。概要を把握することを目的とする。 - Identifying opinions. 意見の特定
それが事実なのか、誰かの意見なのかを識別して読むこと。
この「意見の特定」ですが、日本人には少しぼんやりとした内容かもしれません。しかしアメリカではとても重要な読み方です。今私は英語レッスンの音読教材として「Learning A-Z」を利用しております。そこにはデジタルの本が数千冊あるのですが、読後にクイズがあります。このクイズによく「これは意見か事実か」という問いが含まれます。アメリカでは、子供が小さい時から、この意見の特定を認識しながら本を読むのだなということを感じます。 - Inferencing. 推論
書き手が直接言わなくても、読者が書き手の意図を理解することを指します。
これは例を言いますと、「地面が濡れていた」と書かれていた場合、「雨が降っていたことを意味するのかな」など、推測する能力のことです。
以上が読むサブスキル5つとなります。
では、読んでいく素地が出来ましたので進めていきたいと思います!!
読み方1:読む目的を確認する
その本なり文章を読む時に、この目的確認を忘れないでください。
・課題のために本を読む。
・本を読んで感想文(レポート)を書くために本を読む。
などです。
目的を確認したら、この目的を解決していく方向に舵が切られるのです。
例「英語の本を一冊読んで感じたことをポスターで表現する課題が夏休みにある。それには、この本の概要を把握して、その本の中で自分の興味のある部分を見つけよう。そこをどうアート(ポスター描き)として抽出できるか考えよう。」
例として、「What is Nintendo?」Who HQ Booksを読み進めていきましょう。
『What Is Nintendo?」任天堂て何?
普段遊んでいるゲーム機の会社の話ですね。
実際に生徒さんと一緒に読んでいる本です。
クリックすると、amazonの購入画面に飛びます。←
では順番に一緒に読んでいきましょう。
読み方2.概要確認
まず、スキミング(読むサブスキルの一つ:ざっと目を通すこと)をして、概要を把握しましょう。
もし目次があるならば、それを確認します。
そして、全体の中で自分の興味があるところを見つけておきます。
ここでメモメモ!
目次を読むだけで、内容がわかる本もあります。目次は重要。
その後、全体をパラパラと、興味のあるあたりを重点的にチェックしながら見ていきます。
自分の頭の中とメモで全体把握はできたでしょうか。
今一度確認してください。
例:「What is Nintendo?」の目次です。
・What is Nintendo?
・Nintendo Goes to America.
・The Power of Nintendo
あたりが自分の興味を引きました。
表紙にあるマリオが出てきますし、どうやって任天堂が会社として大きくなって行ったのかがわかりそうです。
読み方3.詳細把握
ここからが本番です。
スキミング(概要読み)で見つけた興味のある範囲を詳細(スキャニング:詳細に読み込む。)に見ていきましょう。
自分のお気に入りの言葉や1行を見つけて書くのも良いですし、気になった単語をメモするのもいいでしょう。メモの粒度はお任せですが、後から読んでわかるものにしましょう。
「目的」を意識して読んでいき、メモに書いていくのです。
そして、そこに自分の意見や質問疑問も忘れずに書いていきます。
○お気に入りの1行。
○単語
○内容に対する自分の感想、意見、疑問
誰もいなければ、独り言を言いながら書いていくのも有効です。
「ふむふむ、なになに、任天堂って、、花札を作っていたのね?ゲーム機に行った経緯は?どこに書いてあるかな?」などなど。
あくまでも参考までにですが、、私は、よくこのメモにマインドマップを使います。マインドマップも自分の意見が広がりを見せるので、メモの方法としておすすめです。
参考情報:マインドマップ
マインドマップは、人間の自然な思考プロセスを反映したノート法です。頭の中で起きていることが「見える化」されるので、考え続けることが非常にラクになります。全体を一目で見渡すことができ統合的に考えるのを促すため、思考整理、記憶、アイデア発想などに威力を発揮します。
https://www.mindmap-school.jp/mindmap(参照:マインドマップの学校 2024/08/06 7時時点)
読み方4.読了後、自分のメモをじっくり読み、目的に沿って、自分の言葉でまとめる。
自分のメモを自分でまとめる。これがとても重要です。自分の頭に負荷をかけることが頭に残り、新しいことを覚えたり考えることに結びつきます。
コピペは楽なのですが、頭に残らないんですよね。あえて、学びながら読んでいるわけですから、自分の言葉で書いてみるというのが重要です。
例:What is Nintendo?を読んで(スキャニング、スキミングして)メモが目の前にあるわけです。それをどうポスター化していくのか。
私の中では、小さな花札(:日本の昔からあるカードゲーム)の会社がグローバルなゲーム会社になった経緯が面白かったので、そのイメージをポスター化していきたいと思います。
自分のメモを見て、まとめて考察してみたところ、「任天堂は、花札を扱っていた小さな会社が、ゲームの機械をどんどん変えて楽しみを提供し続けている会社」というイメージがよくわかりました。
他の例:英語のニュースの要約
一冊本を読むのは時間がかかるので、英語のニュースの要約をしてみましょう。
Why Plunge? (参照:NHK World2024/08.06.7:00時点)
(いつまでこちらのリンクがあるかわかりません。)
昨日起きた株の下落についての記事をこの方法で読んでみましょう。
What’s fueling the Nikkei 225’s record plunge?
/英語の構成のIntroduction(導入・問題提起)/
日経平均株価の記録的急落の原因は何でしょうか?
メモしながら進みました。
1. 目的:要約かつ下落の理由が理解できる。
2. スキミングで概要把握
サブタイトルをつないで読んでいきます。
/英語の構成のBody(議論)とConclusion(結論)/を確認します。
2-1Concerns over US recession and stronger yen prompt investor sell-offs ←ここに理由が書いてありますね。
2-2 Yen’s appreciation may have exceeded Japanese firms’ expectations
2-3 Expert: Japanese market more interlocked with US market
2-4 Investors’ reactions
3. スキャニングで詳細を確認
2-1を詳しく読んでいきました。
この際に、The prospect of a narrowing interest-rate gap between Japan and the United States is prompting investors to sell the dollar and buy the yen.の意味がわからないため、「金利差」の意味をgoogleで調べ、なぜ金利差が今回の円高に結びつくのかを理解しました。
金利(利率)が多い方が人は、その株を書いたがります。例えば、1000円を3ヶ月預けて1030円になって返ってくるのか、1010円になって返ってくるのかを選べと言われたら1030円の方が良いですよね。
今までは、アメリカの金利が高いと思われたため、ドルが買われ円が売られていたのですが、今回はアメリカの金利が下げられそうで日本の金利が上がることで金利差が埋まり、日本が買われる(円高になる)ということだと理解しました。。
あってる?
2-2,2-32,2-4もさらっと斜め読みし、知らない単語をチェック。
←私のメモです。
私の英語の要約です。
On Monday, the biggest plunge occurred ever.
It has two reasons.
First, there are concerns over the US recession. Investors think the world’s largest economy was weakening.
Second, a stronger yen prompt hurts Export-related industries. This will have a big impact on the Japanese economy, and it will lead to a decline in stock prices.
<日本語訳>
月曜日、史上最大の急落が起きた。
理由は2つある。
第一に、米国の景気後退に対する懸念がある。投資家は世界最大の経済が弱体化していると考えている。
第二に、円高が輸出関連産業に打撃を与える。日本の経済に影響があり、株の下落につながる。
書きながら、考えながら色々と金利差とかわからないので調べながら、15分くらいかかりましたが、理解が深まりました。
まとめ
- 前提:メモと鉛筆を持って、書きながら読み進める。
- 1.目的を確認する
- 2.概要把握
- 3.詳細把握
- 4.読了後、自分のメモをじっくり読み、目的に沿って、自分の言葉でまとめる
この方法は、読書感想文や、新聞記事の読み方、学習方法など他にも丸っと役立つ方法です。
自分に教えるように白紙に書き出す、人に話すでも良いでしょう。
お家の人に今日読んだ本の内容、ニュース記事、について声に出して言い始めると初めはなかなか言語化できない自分にイライラするかもしれません。
これも訓練です。楽しく回を重ねていきましょう。
覚えた(読んだ)ことを思い出す、人に教えられる=アウトプットこそが成長につながる、研究によって検証された効率的な勉強法です。
(参照「科学的根拠に基づく最高の勉強法」2024/2/15 安川 康介 (著))
「最高の勉強法」安川康介著 Kadokawa
これはとても良い学びの方法をまとめており、すぐ今から使える方法です。
勉強方法のみならず、心・体・環境の整え方まで書いてあります。
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お読みいただきありがとうございました。
夏休みの課題、母語以外の言語で文章を読むって大変ですよね。
少しでもお役に立てれば幸いです。
参考記事*
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